姪の誕生もあって、兄と二人で飲む機会があった。兄貴は都内の病院で医師をしているのだが、医者の兄とデザイナーの弟というコントラストも中々強烈だなと思いつつも、自分とは全く違う世界の話というのはそれはそれで興味深い。そこで聞いて初めて知ったのが石原慎太郎の思いつきで始まったという救急医療体制である「東京ER」の存在と、それがいかに現場の実情と乖離しているか、ということ。
「東京ER」とは「いつでも、誰でも、様々な症状」の救急患者に対応する救急診療体制のことで、複数のエリアの中から「東京ER」指定の病院として選ばれた病院は、そのエリア内の救急車や救急患者を全て受け入れなければいけないらしい。病院のたらい回しの末、命を落とすなんていうことも耳にしたりもするので、救急医療体制の整備というのはすごく高邁な理想で大事なことだと思う。しかし、軽症だろうが重症だろうが全ての患者を一つの病院が責任もって救急で受け入れる、と宣言してしまったので、それこそ酔っぱらいや「ちょっと風邪気味で...」みたいな人たちも全て救急に来てしまって、病院は医者のリソース不足でパンクしそうらしい。
兄貴に聞いたところによると、「東京ER」指定の病院には東京都から補助金が出るらしいが、その具体的な金額を聞いたら、とてもそんな額で複数人の医療スタッフを当直させられるわけない! とデザイナーの僕でも思ってしまうような金額だった。高邁な理想と現場の実情が乖離しているいい例だと思う。実際「東京ER」でGoogleで検索するとその問題を語っているサイトがわんさか出てくる。
これをデザインの世界に置き換えてみる。もし自分の会社が東京都指定の「東京ER」ならぬ「デザインER」指定のデザイン事務所だったら。「デザインER」に指定されたデザイン事務所は、東京都から補助金が支給される代わりに、特定エリア内のいかなる緊急案件も受注せねばならない。
仕事がいっぱいきてうれしい → でも緊急 → 人が足りない → 東京都から補助金もらい人を雇う → でも人が足りない → もうこれ以上雇えない → 緊急の仕事がわんさかくる → 人が足りない → 遠くに旅に出たくなる
負のループしか思い浮かばない。そもそもデザイン事務所っていうのは「明日までにビジュアルつくって!」みたいな仕事が既に山のようにある訳だし、そういう意味では既にER的な役割を果たしているのだ。瀕死の重傷、いますぐ処置を...! という救急患者みたいな案件もあるし、いろんなデザイン事務所をたらい回しにされた挙げ句、「助けてくれ!」みたいな案件もあったりする。
「デザインER」がもし存在したなら。自分が患者として駆け込みたいのである。
兄貴に聞いたところによると、「東京ER」指定の病院には東京都から補助金が出るらしいが、その具体的な金額を聞いたら、とてもそんな額で複数人の医療スタッフを当直させられるわけない! とデザイナーの僕でも思ってしまうような金額だった。高邁な理想と現場の実情が乖離しているいい例だと思う。実際「東京ER」でGoogleで検索するとその問題を語っているサイトがわんさか出てくる。
海外ドラマ「ER」を見て思いついたらしい。
仕事がいっぱいきてうれしい → でも緊急 → 人が足りない → 東京都から補助金もらい人を雇う → でも人が足りない → もうこれ以上雇えない → 緊急の仕事がわんさかくる → 人が足りない → 遠くに旅に出たくなる
負のループしか思い浮かばない。そもそもデザイン事務所っていうのは「明日までにビジュアルつくって!」みたいな仕事が既に山のようにある訳だし、そういう意味では既にER的な役割を果たしているのだ。瀕死の重傷、いますぐ処置を...! という救急患者みたいな案件もあるし、いろんなデザイン事務所をたらい回しにされた挙げ句、「助けてくれ!」みたいな案件もあったりする。
「デザインER」がもし存在したなら。自分が患者として駆け込みたいのである。
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