自分としては独立してから3年間で事業規模も変わってきたし、諸々法人でないと不便なことが増えてきて、割と自然な流れで法人化することになったので特に気負いとかはないんですが、定款とか企業理念とか就業規則とかを作っていると「会社をつくる」という実感がわいてきたりもするものです。

デザイナーとして会社員で10年、個人事業主で3年やってきて、今回自分で会社を作ることになった訳ですが、デザイナーがデザインするという行為は13年前とあまり変わっていない気がします。当時から紙物のデザインは無くなっていくとか、企業が名刺代わりにウェブサイトを作る時代は終わるとか言われてきたし、今もSNSがあればウェブサイトはいらなくなるなんていう意見もあったりします。でも、技術の革新や新しいメディアの登場等はあっても、デザイナーがデザインするという本質はあまり変わらない。デザイナーがデザインしなければいけないものも無くならない。我々の仕事は、パン屋さんが毎日美味しいパンを焼くことと同じだと思っているので、不況だろうが震災後だろうが、デザイン事務所を経営していくことにあまり悲壮感は感じないのです。

とはいえ、世の中新しい技術や価値観がどんどん生まれてきていて、あまりSNSとかを積極的にやるタイプでない僕としても、Facebookで中学時代や高校時代の友人から15〜20年振りにコンタクトがあったりすると、これはすごいなと思ったりします。実際今も中学や高校時代の友人と一緒に仕事する機会も増えてきていて、多分SNSが無ければ生まれなかったコミュニケーションのはずなので、そういう意味では僕もSNSの恩恵に十分あずかっているのだと思います。

変えてはいけない本質的な部分、常に時代にキャッチアップしていかなければいけない部分。10年20年続いている会社は多分そういう部分をきちんと出来ている会社なんだと思います。願わくば自分がこれから作る会社もそうなれるように、今まで以上に頑張らねばならないと思う次第です。