多分漠然と、将来自分でカフェとかバーとかやりたいなあと考えている人も多いと思いますが、例に漏れず僕もその一人です。考えてみるとカフェを作って行くような作業とデザイン事務所を作って行く作業って、何か共通点があるかもと思い、今更ながら「ヌフカフェはなぜ潰れないのか」を読んでみた。
「ヌフカフェはなぜ潰れないのか」で書かれている要点は、大きくまとめるとざっと3つ。
- 自分でできることは全部自分でやる
- 安易に広告に頼らず今いるお客さんを大事にして口コミを広げる
- 従業員の個性によってカフェは変わる
- 自分でできることは全部自分でやる。
- 武田康伸さんはカフェを作る時は自ら大工仕事からやるそうですが、限られた資金の中で開業するためにそうせざるを得なかったそうです。自分でいいカフェを作りたい!という情熱があればなんとでもなる、とのこと。デザイン事務所はカフェと違って初期投資はかなり少なくても済みますが、やっぱり自分でできることは何でも自分でやらないと最初は苦しい。事務作業や経理みたいなデザインとは直接関係ないことも楽しんでできないと、独立には向いてないのかもしれませんね。
- 安易に広告に頼らず今いるお客さんを大事にして口コミを広げる
- これは最近ひしと感じる。星の数ほどいるデザイナーの中で、縁あって僕を選んでくれたお客さんに対する感謝は相当なものだし、その仕事を一つ一つやることで、自然と仕事の輪が広がったりお客さんが別のクライアントに紹介してくれたりするもの。独立当初はmixiのお仕事ください的なコミュにも入ろうかな、とも思ったけど結局やめました。デザイナーとして生きて行くことっていうのは、地道に自分のファンを作って広げる、ということなのかなあと思ったりします。
- 従業員の個性によってカフェは変わる
- ヌフカフェも武田さんの好みだけではなくて、そこで働く従業員の個性によって内装やメニューが変わるらしい。デザイン事務所も単なるスタッフ、アシスタントじゃなく、各デザイナーの個性がいい意味でアウトプットに反映されるのが理想ですよね。自分と全然違うアプローチでデザインするスタッフと一緒に仕事できれば、自分自身も成長できるし、そういう変化を恐れてはいかん、ということですな。
コーヒーの致死量は一日100杯らしい。
あともう一点この本を読んで共感したのが、著者の武田さんは「自分はカフェ経営に向いているか向いていないか」という悩みを相談されるそうですが、「カフェ経営をやろう、と思った人に、カフェ経営はできる」と。僕もよく若いデザイナーから「自分はデザイナーに向いていないのでは...」と相談されることがあるのですが、結局は「向いてるか、向いていないか」じゃなくて「やりたいか、やりたくないか」でしかないですよね。僕もデザインの仕事が自分に向いてるか向いていないかは、いまだに分かりませんが、少なくともやりたくないと思ったことは一度もないです。「この仕事でやってやるぜ!」という気合いがあれば意外になんとでもなるもの。
ヌフカフェはなぜ潰れないのか ~武田康伸のカフェ経営哲学 武田 康伸 河出書房新社 2006-04-13 売り上げランキング : 17308 おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
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