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[Column] Adobe Illustratorの進化について考える

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Illustratorの進化について考える

僕はウェブサイトのデザインをするときはほぼPhotoshop CS3 だけでデザインして、パーツやアイコン、イラストを描いたりするときだけIllustrator CS3を使います。FireWorksはあまり好きではないので、インストールはしていますが一回も起動してません。最近仲間とやってるポッドキャストでTシャツを作るので、それ用のキャラクターをIllustrator CS3で描いて、Tシャツのレイアウトをしてくれる友達にデータを送ろうとしたら、彼からIllustrator 7を使っているとの連絡が。
Illustrator 7!? グラフィック系の制作会社がいまだにIllustrator 8 を使っているという話を聞くことはあるけど、Illustrator 7を使っているというのは始めて聞いた。Illustrator CS3で過去のバージョンにも書き出せるけど、たしか一番古いバージョンでも8までではなかったか。と思ったらEPSでIllustrator 3 形式で書き出せたので、一応試しにCS3 → illustrator 3 のダウングレードで書き出して友達に送ってみた。

CS3の発売が2007年、Illustrator 7の発売が1997年、Illustrator 3 の発売が1990年!なので、実に20年近く時空をさかのぼるわけですね。CS3がバージョンで言えばIllustrator 13にあたるので、10代前のバージョンになるわけで、相撲で言えば69代横綱白鵬から59代横綱隆の里までさかのぼることになるのだ。うーん。遠い昔だ。でも考えてみるとMacユーザーはIntel Macに切り替えてしまったら、永遠にIllustrator 8や9とおさらばすることになるが、WindowsユーザーならIllustrator 7とはいえ現役の可能性があるのか。しかし隆の里が現役で相撲取っている姿は想像できない...と思っていたら、彼から「問題なく開けた」との連絡が...。

、、、。CS3で作ったデータをai3の形式にダウングレードしてai7で問題なく開けたのか...。俺はCS3を使っているくせにどんだけローテクでイラスト描いとんねん! と愕然としました。しかし、レイヤーに透明度の設定をしないでカスタムブラシのアウトラインさえ取ってしまえば、CS3だろうがai3だろうが問題なく開けても不思議ではない。そのイラストはグラデーションすら使っていないし。Illustrator というアプリケーションは新機能とかどんどん追加されるけど、結局イラストを描く、パーツをつくる、ということに関しては根本的な部分は変わっていないのですね。どんなに便利になろうがデザイナー、イラストレーターが手作業でパスを描いて行く作業は今も昔も変わらない訳で、機械がデザインしてくれる訳でもないので、だからこそプロとしての仕事が求められる訳ですね。

Illustratorの進化について考える
思えばIllustrator 10は全く使わなかった。

僕のIllustrator遍歴でいえば、もっとも長く使っていたのがバージョン8。当時はウェブのデザインもほとんどIllustrator 8でやっていて、Photoshopは写真の補正やコラージュ作るときくらいしか使ってなかった。アプリとしての安定性やテキストのツメ、プレビューの美しさなど、いまだにこのバージョンが最高傑作だと思ってます。次に長く使っていたのがバージョン9。このバージョンからレイヤーに乗算かけれたり透明度の設定できたり画期的に便利になった訳ですが、とにかく動作が不安定でなかなか移行できなかった。しかしウェブを作る上でその便利さの誘惑に負け、ついに最愛のバージョン8から移行。アプリは落ちまくったが、おかげでMacに詳しくなった気がします。

そしてデザイン事務所におけるビッグバン。Mac OS X 登場によるCSシリーズへの移行。長らく拒否していたがHDDが吹っ飛んだのでしょうがなくOS9からOS Xに乗り換えるはめになり、会社としての方針でIllustrator もCS1に。このバージョンが一番嫌い。フォントのプレビュー汚い、文字組弱い、モリサワフォントも当時は使えなかったからフォントワークスのニューロダンをしばらく使ってた。このころからウェブ制作のメインをPhotoshopに乗り換えた気がする。Illustratorはほんとにイラスト描くときだけか、パーツ作成のために使うにとどまった。最近のウェブデザイナーはFireWorksを使う人が多くて、次いでPhotoshop。僕の廻りの若いウェブデザイナーでIllustrator使えない、という人は結構多いのも、この辺りが要因なのか?

何か戦前の思い出話を語るおじいちゃんのようなノリになってきたので、この辺で。CS2が出たときAdobeのセミナーみたいなものに参加したら、当時Adobeのプレゼンターは「デザイナの手間を減らす画期的な新機能!」「これからはデザイナーが早く家に帰れるようになる!」と言っていましたが、CS4が発売されてもいまだに早く帰ることはできません。

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このページは、yamagraが2009年4月30日 13:51に書いたブログ記事です。

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