ホームデザイン事務所ができるまでデザインの話プロフィールお問い合わせ

デザイン的に「無垢」な存在

| コメント(0) | トラックバック(0)

デザイン上「無垢」な存在

先日兄に二人目の子ども(女の子)が生まれた。逆子だったので出産は帝王切開で義姉も大変だったようだが、無事に生まれてなにより。新生児室でガラス越しに対面した姪っ子を見ると、命の儚さとか尊さとかを感じざるを得ない、なんとも言えない気持ちになります。彼女はバイキンにまみれた僕の手が容易に触れてはいけない崇高な存在なのだ。
生まれたばかりの姪を見ていて思ったのですが、生後間もない赤ちゃんは当然ながら何も学習していない状態なので、デザイン的にも全くの「無垢」な状態です。我々デザイナーは人間が生きて行く中で学習する、外界から獲得した情報というものを利用してデザインをする訳ですが、赤ちゃんは全くの白紙状態なのでそれが通用しない。

赤い色は危険を意味するとか、四角い形状より丸い形状の方が柔らかそうとか、ライオンは動物界で一番強いらしいとか、禿げている床屋は何となく信用できないとかは、誰かから教わったとかではなくて、生きて行く中で我々が自然と学習してきたことです。デザイナーは我々が自然と学習した「これはこうだろう」「これはこんな感じ」とかという最大公約数というものを利用して、「安心感を与えるデザイン」「最先端をイメージさせるデザイン」「あえてダサい感じを狙ったデザイン」とか色々なデザインを作って行く訳です。
名前はまだ無い。

「いないいないバァ」とかやって赤ちゃんが喜んでくれるのは、赤ちゃんは生まれてから自然と「普通の状態の人間の顔」を学習していて、「いつもとは違う顔」という情報を受け取って笑ってくれているのではないかと思うのだが、どうなのだろうか? そう考えると、赤ちゃんが最初に学ぶデザイン言語は人間の表情のバリエーションな気がする。

ともあれ姪っ子が外界から正しい情報を獲得して、すくすくと成長してくれることを願うのみです。いや、ちょっと待て。せっかくのデザイン的に無垢な状態なのにこのまま放置ではもったいない。これから特殊な環境で育てれば、姪っ子はいずれは天才デザイナーに成長するのではないか? とか思ったが兄貴に「お前も早く結婚しろ」と言われた。まあ、ごもっとも。

コメントする

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://yamagra.jp/mt/mt-tb.cgi/104

米沢茶店 | 金沢の地でお茶一筋に百三十年

HybridCamera

アリガチポッドキャスト

Bizleaf

twitter

Profile: 山下行雄 / yukio yamashita / yamagra

このブログ記事について

このページは、yamagraが2009年9月28日 10:10に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「相撲とデザイン」です。

次のブログ記事は「Web Creators 2009 11月号に執筆しました。」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

Powered by Movable Type 4.23-ja