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[column] デザイン三法印

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デザイン三法印

独立してからというものデザイナーとして様々なプロジェクトのデザインをしていると、つまらないことに腹を立てたりどうでもいいことに喜びを感じたり、将来に対する漠然とした不安を感じたりとか、とかく心を平静に保つのが難しい。デザイナーとはいえ常に心平穏に、双葉山いわく木鶏のようになりたいものである。今発売中の『PEN』で「神社とは何か?お寺とは何か?」という素晴らしい特集がやっていた。これだ。仏教の「中道」の教えをデザインに当てはめるのだ! 名付けて「デザイン三法印」。デザイン三法印をマスターしてブッダのようなデザイナーを目指すのだ。
「三法印」とは仏教の教えの基本的な概念。「諸行無常」「諸法無我」「涅槃寂情」の3原理から成り立っているらしい。まあ、デザインでいうところのレイアウト、色、フォントみたいなもんか。では「デザイン三法印」レッツゴー。
諸行無常(しょぎょうむじょう)
これは有名っすね。この世の全ての事象は常に変化したりして一瞬といえども同じところにとどまらない。永遠不滅なものなど存在しないという教え。受託の案件をやっていると一つとして同じプロジェクトなんか存在しない。各プロジェクトで達成すべきゴールも求められるビジュアルも割かれる予算も違うし、ユーザの環境も年齢も性別もPCスキルも違うのだ。今流行のデザインなどは数年経てば時代遅れ。嗚呼、デザイン諸行無常。
諸法無我(しょほうむが)
自分の存在は周囲の多くのものによって生かされている。万物は常に移ろい行くのだから自分に執着することは意味のないことだ、という教え。1つとして同じプロジェクトなんかないんだから、自分のデザインに執着することは意味が無いのだ。その都度その都度、求められるゴールによって自分のデザインはアメーバのように変化していくものなのだ。決して「そんなことしたら自分のデザインの世界観崩れる!」と駄々こねてはいけない。デザイナーはクライアントや代理店やユーザによって生かされているのだから! 嗚呼、デザイン諸法無我。
涅槃寂情(ねはんじゃくじょう)
「諸行無常」「諸法無我」を理解すれば何かに執着するという煩悩から逃れることが出来る(らしい)。そうすれば迷いや苦悩なんかなくなり他者のために尽くそうという穏やかな悟りの境地に至ることが出来る! 涅槃寂情! カート・コバーンやっぱすげーぜ。一つとして同じプロジェクトなどなく、自分のデザインに執着する必要もないのだから、心穏やかにクライアントやユーザのために自分のデザインスキルを捧げるのだ。我々は商業デザインという道に身を捧げた僧徒に過ぎない!
、、、。勢いでここまで書いてしまったが、テンションだけで書いているので真剣に読まないように。 相も変わらずクライアントと金銭交渉をする毎日。煩悩は益々募ります。独立して一番カタルシスを感じるのが請求書を出す瞬間という煩悩まみれの俺が「デザイン三法印」をマスターすることは可能なのだろうか...?

コメント(2)

マジメに読んじまった……。よくワカランな〜と思いながら。

yamagraさんの場合、三法に+して『酒業矛情』というのがあってもしかるべきかとw

やっぱホトケの教えよりも酒のパワーっすな。

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このブログ記事について

このページは、yamagraが2009年7月 5日 20:29に書いたブログ記事です。

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